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今朝見た夢。

私はいつの間にか、知らない場所にいる。
ここはなんだか、おかしい。
ものの見え方や、手触り、においも、全てに違和感がある。
そもそも、私はどうやってここに来たのか?それも分からない。
戻りたいのに、どうやって戻ればいいのか分からない。

途方にくれていると、ある部屋のドアに行き着いた。
なんとなく、「ああ、やっと着いた」という気持ちがあり、ドアに手をかける。
中には10人ちょっとくらいの人がいた。みんな知らない人ばかり。
でも、ここにたどり着くまでは誰とも出会わなかったので、やっと人に会えてほっとした。
私はその部屋の中で、何日?何十日?何ヶ月?時間の感覚が分からないその部屋で、仲間たちとすごした。

すごしているうちに、私がなんとなく理解したのは、ここは『意識の部屋』だということ。
名前がついているわけではなく、誰かが説明してくれたわけでもなく、自然と理解した。
つまり、私たちは実体が伴った人間ではなく、意識のみがここに存在するのだ。
では、体はどこに?
・・・・それぞれの場所に。
意識が離れた植物状態となって、それぞれのベッドに横たわっているのだ。
部屋にいるメンバーは、それを理解している人もいれば、まだ気づいていない人もいて、そして、それすらも忘れて意識体としての自分が、元の自分だと思い込んでいる人もいる。
でも、自分を忘れてしまった人は、戻れない。
だからといって、覚えていたって、戻れるとは限らない。

あるとき、ずっと気になっていたことを仲間に話した。
「不思議なんだけど、どこにいても、何をしていても、おでこのところに冷たい風が当たって、すごい嫌なの。これ何だろう?」
「ああ、きっと、あなたの体にそういう風が当たっているのよ。意識がこちらにあっても、感じるものは感じるからね。扇風機かな、窓かな」
「すごく嫌だな。ストレスだ。どうしたらいいのかな」
「それって、嫌だよね。いってみる?体のあるところに」

『意識の部屋』は、誰かの体のある世界に合わせて移動するのだが、そのためには多くのエネルギーを消費するため、そうそう簡単なことではないらしい。
さらに、『意識の部屋』は、常に誰か1人はいないと、部屋が消滅してしまうらしいので、あまり部屋を移動させるなどということはやらないらしいのだが、「体の一部分に常に風があたるのは、体のためにも良くないし、イイダさんは一度も戻っていないし」ということで、やってくれることになった。

気がつくと、私は母のアパートの部屋の前にいた。
ああ、ここはいつもの景色。いつものにおい。
私のいる世界だ。
そっとドアを開けると、薄暗い玄関に、大きなボストンバッグが置いてあり、奥の部屋で母が支度をしている音が聞こえる。
それだけで、全てが分かった。
母は、病院で横たわる私の世話をするために、着替えやタオルや、いろんなものを準備しているのだ。
母なら分かってくれる。
私は母に会うことも、話すこともできないので、いつも使う水色の便箋に、いつものペンで走り書きをした。
思うように手が動かないし、実際のモノをさわって意のままに操ることは、今の私には到底難しいので、これだけ書いた。
「おでこに風があたります」
私が手紙を書けるわけはないし、誰かが玄関に入ってきて意味不明のメモを残すということもありえない。
母は不思議に思うだろうけれど、きっと気づいてくれる。
そしてきっと、私の意識は生きている、とわかるだろう。

母が立ち上がる気配がした。
私は母に会うことはできない。
私の姿は他人には見えないが、肉親には見えるらしい。
が、見えてしまうともう、自分の体には戻れなくなってしまうのだ。それが『最期のあいさつ』となる。
母には会いたいが、会うわけにはいかない。

そっとドアを出た。
ドアの向こうで、母がメモに気づく気配がする。
「・・・・風?」
しばらく後に、かすれた声で「ゆきちゃん・・・」と聞こえた。
慌ててボストンバッグを持って靴を履く音が続く。
ああ、気づいてくれた。
『意識の部屋』に戻ると、私のおでこにあたる風はやんでいた。

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