春休み短期教室がやっと終わった。
とりあえず、事故もなく笑顔で終われてほっとした。

私がお休みしている間にいくつかシステムが変更になったことがあって、そのうちのひとつが、『教室終了後のフォロー電話』。
なかなか繋がらないこともあるし、働いているお母さんも増えてきて時間が合わないこともあり、コーチたちには結構大変な作業。
でも、教室の感想をナマで聞けるチャンスだし、私は結構この作業が好き。

今回私が受け持ったクラスは、この春から小学生になる子たち。プールが楽しみでたまらない、という子もいるし、まだ水を怖がる子もいるし、中にはしぶきがかかるだけでも嫌がる、という子もいる。
なにげにこういうクラスが一番難しい。

プールが楽しくてたまらない、という子にはどんどん色んなことをやらせてあげたいし、上達もさせてあげなくてはならない。
でも、水が怖い子には、ゆっくりと時間をかけて安心感を与えなければならない。
しかし、コースは1つ。生徒は10人近くいるけれど、コーチは私とアシスタントのみ。
泳ぎたくて仕方ない子もいれば、目を離すとおぼれる子もいる。
できる限り、みんなで楽しめる内容にして、なおかつ上達の早い子には個別指導で対応して、なんとか乗り切った。

「うちの子は顔にしぶきがかかるだけで嫌がるので、そこをなんとかしてほしい」というかなり難しい依頼だった、リンくん(仮名)。
初日の感触では、ものすごく水を嫌がるので「これは成果をあげられないかも」と心配したけれど、あれこれ楽しいプログラムを組んで、なんと2日目には潜ることに成功!!
3日目にはさらに上達したのだが、上達が早すぎて、次から次に新しいことをやることに途中で心がついていけなくなって、泣いてしまった。
やりたい、という気持ちはある。もっと上手になりたい、という気持ちもある。
だから、「これやってみる!」と言うのだけれど、まだ実績が自信になっていないから、ちょっと失敗すると「やっぱりぼくはできないんだ。どうしてできないんだ!!ぼく、うまくできない・・」と悔しくなってしまったらしい。


「リンはすごく上手になったんだよ、だから自信をもって。それから、すぐにできることが大事なんじゃないから、焦ることはないんだよ。最初はできないのが当たり前なの。やってみよう!っていう、今の気持ちが大事なの。だいじょうぶ、もう一度、一緒にやろう」

一昨日までは、水しぶきがかかるだけで顔をそむけていた子が、今は「やりたいのに、できなくて悔しい」と泣いている。
すごい。子供の成長って本当にすごい。


最後の授業が終わった日の夕方、一番にリンのところに電話をかけた。
すごく上達したのに、あの涙の記憶が上書きされてしまったら。それが心配だった。
でも、電話に出たお母さんは、とても嬉しそうにこう言ってくれた。
「先生、リンはとっても楽しかったみたいで、これができるようになったよ、今日はこれやったよ、ぼくこれできるようになったよ、って。毎日帰ったらそう報告してくれるんです。すごく嬉しかったみたいですし、楽しかった!って言ってました。ありがとうございました。」

そうなんだ・・・よかった!


そして、さらにお母さんはこう言ってくれた。
「先生、リンが一番嬉しかったことは、先生がリンの上達を分かってくれたってことみたいです。先生はぼくができるようになったことをわかってくれてた、先生がこう言ってくれた、って、私に何度も言いました。ありがとうございました」


・・・そうなんですか・・・・。



できないことができるようになった子の、あの自信に満ちた笑顔。
水に対する恐怖心が抜けて、晴れ晴れとした笑顔で泳ぐ姿。
そういったことが、コーチの喜び。
でも、本当に嬉しいのは。

「こちらこそ、ありがとうございました。リンくんと一緒に泳げて私もとても楽しかったです」


そう。教えているようで、教えられているのはこっちかもしれない。
実は職場復帰してから色々あって、正直結構辛いこともあって・・・、ちょっと、かなり、きつかったんだけど。


この仕事の本質を、再確認した日でした。
リンくん、大事なことを教えてくれてありがとう。






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