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今朝見た夢。


私の視点は、ある男性高校教師。おそらく年齢は、30歳ちょっと。
教師としてのキャリアはそこそこ積み上げてきたが、今の勤務先の女子高は、やはり理解しがたいことも多く、気を使うことも多い。

教え子の中に、ある女子生徒がいる。
彼女は16歳、小柄でやわらかい髪の毛、色素の薄い肌。目は大きくてまつげは長く、鼻は小さい。
小さく整った顔立ちだが、いわゆるモテる顔立ちではないし、目立ちもしない。
頬がふっくらしているのと、小柄であること、そしていつもぼんやりしているためか、年齢よりも少し幼い印象。口数も少なく、友達もいないようだ。学校も休みがちで、授業中に保健室に行くことも多いが、うちの高校は女子大までのエスカレーター式私立なので、特に大きな問題を起こさなければ順調に進学できるため、俺としてはむしろ、手のかからない楽な生徒だ。
俺の印象では、もっと他の、口やかましく噂好きで、『いかにもオンナ』って感じの生徒たちの方が手がかかるし、油断できない存在だった。

それがひょんなことからこの生徒とかかわるようになり・・・なんだか気になるようになってしまった。
バレンタインやクリスマスには、毎年のように何人もの女子生徒から、いくつものチョコやプレゼント、手編みのマフラーなんかももらったことがある。この年齢の女の子の『恋愛ごっこ』には慣れてるつもりだったし、生徒を相手に恋愛沙汰なんて起こしたら、職を失ってしまうし、なにより馬鹿げている。

と、思っていたのに。
気がつくと、ずるずるとのめりこんでいた。

なんなんだ、この女。
他の生徒たちよりもずっとおとなしくて幼く見えるくせに、中身はものすごいオンナだった。
20歳すぎたオンナよりも、オンナだ。いや、今まで俺が付き合ったどの女よりも、オンナだ。なんなんだよ、まだ16歳だぞ。いくら最近の高校生が早熟だっていっても、これは普通じゃないだろ。
なんなんだよ、30すぎた俺がこんなにのめりこむなんて、やばい、俺わかってんのかよ、このオンナは俺の生徒なんだぞ。

どれだけ自分に言い聞かせてもだめだった。
どんどんどんどん、のめりこんでゆく。



あるとき、彼女が涙をポロリとこぼして、俺に言った。
「先生、助けて。私を連れ出して。」
彼女は高級娼婦になるために育てられた女だった。

詳しいことは分からないが、彼女は、ある一部の権力者たちだけに与えられる、高級娼婦らしい。
小さな頃から、美しくあるためにあらゆるケアを受け、きちんとした教育を受け、どの国のどんな高級なレストランでも通用するマナーを教え込まれる。
彼女に友人がいないのも理解できる。彼女が受けている教育や、教え込まれたマナーは、どの女子高生も知らないだろう。いや、何歳だろうと、大人であろうと、一生、知ることのない人間もいるかもしれない。

俺は彼女を連れて逃げることにした。
結局、恋愛沙汰に巻き込まれて、職を失うわけだ。いや、巻き込まれたんじゃないか。自分から入り込んでいったんだ。もっと馬鹿げてる。

彼女との待ち合わせ場所に行くと、組織の人間が既にいた。やはり気づかれたか。
しかし男は、俺を脅したり力ずくで言うことを聞かせたりはしなかった。
ただ、『彼女が高級娼婦であること』を、俺に話して見せただけだった。

それで十分だった。
彼女が娼婦であることは知っていて、それでも一緒に逃げようと思ったわけだが、俺が甘かった。
高級娼婦というのは、いかにもゴージャスな見た目で、ゴージャスな格好をしているわけではない、ということを俺は知った。
本当の高級というのは、そういうことなのだ。
どんなゴージャスな女も抱いてきて、どんなきれいな女も好きなように選んできた男たちが、特別な時間をすごすためだけに存在する女。
金があっても買えない。権力だけがあっても買えない。金と権力と、特別な地位があり、特別なコネクションを持つ者だけが、存在を知ることができ、買える女。でも決して、手に入れることはできない。

「それでも連れて逃げられるのなら、好きにしたらいいさ」と男は言った。
俺は彼女の手を引いて逃げた。
男は追ってこなかった。

でも。
さっきの光景が目に焼きついて離れない。
彼女がそういう女であることを、一瞬で示す光景。
そして、彼女は自分が特異な存在であることを、全く理解していない。
俺に彼女が理解できるのか。俺は彼女とやっていけるのか。

無理だ。


そう思ってふと見ると、交差点には既に組織の車がとまっていた。
全部お見通しか・・・。
俺は車の横で、彼女の手を離した。彼女は何も気づいていない。
「先生、どうしたの?疲れたの?」
俺は何も言わずに横断歩道を渡った。彼女を置いて。
情けないとか恥ずかしいよりも、深い絶望があった。

ここでカメラは彼女の目線に。
横断歩道を渡って雑踏へ消えてゆく、高校教師の後姿。
彼女は不思議そうに、男の背中を見つめている。ふと、空になった自分の手を見る。

信号は赤に変わった。




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